●ベイトリールのメンテナンス方法をUPしてから苦節10年(笑)。
やっぱスピニングリールもやった方が良いかなと思って久々に写真を撮ったのでUPすることにしました。
また、ベイトリール編に載せているのは非常に初歩的な事であって、日々の釣行帰りには是非やっておきたい事のみに留めました。
1年に1回くらいは、全部分解して清掃して、傷んでいる部品があれば交換して、グリスアップ後組み立て作業というのがお勧めです。
長らく放置していると、錆が出ますし、潮が吹いて筐体を傷めてしまいます。そうならないために日々のメンテナンスがあるわけですが、万が一、その様になった場合どうすればいいか。
その辺りを、今回は少し研究してみたいと思います。


第2弾・・・スピニングリール編(SHIMANO Stella3000)           
       

●本日のお題は『ヤフオクで落としたジャンクなリール』です。しかし、ジャンクと言えどもステラです。
ステラは永らくシマノの最高級モデルに鎮座しており、どこが他のモデルと違うのか、どうしてあんなに高価なのか!シマノは暴利を貪っている、ゆるせねぇ〜!とお怒りの諸兄もいらっしゃると思います。
値段が高すぎるのは私も同感、私が10数年前にステラ2000を買った時は『万馬券』が取れたからであり、到底あぶく銭でもない限り買えないし、買おうとも思わなかったのですから。
当時でさえ5万円以上したのに、2009年式のステラに到っては8万円位しますから。何をか言わんやです・・・。
まあ、こんなこと愚痴っていても話が進まないので止めますが(笑)。
さて、ステラの良いところは;
@ベアリングがふんだんに使われている:各軸回転部分にベアリングを配置する事により、摩耗によるガタを防ぎ回転をスムースにしている。
A材質が高品質:
マグネシウムやテクニウムボディーを採用する事で軽量・剛性・精度を追求している。ボディーは驚くほど薄い金属シャーシとなっている。
Bドラグの仕組みやスプールの組み込みが非常に良くできている:
スプールの中にベアリングを組み込み、シャフト軸にもベアリングを配置する事で、狂いが少なくスムースなドラグワークを発揮。
C所有していると自慢できる(爆)

※ステラを使ったからと言って、今までの2倍・3倍魚が釣れるわけではないのであるから、コストパフォーマンスは非常に悪いかもしれないが。
ですが・・・ベアリングが沢山使われているという事は、良い事ばかりではない。メンテナンスを怠るとベアリングは錆びます。
今回、取り上げるステラも『おそらく、1回も分解掃除をしていなかった』と思われる一品です。ハンドルを回すと『ゴ〜ロンゴ〜ロン』と音がします。
明らかに、ベアリングの錆び付き或いはグリス抜けの状態。出品者もその事を注意書きしてくれていました。
当方としては、こんなのは簡単に直ると思っているのでなるべく安く落札したい。が、同じ事を考えている人も多かったようで・・・
結局、ぎりぎり想定内の5000円で落札できた。シーバスロッドに付けているアルテグラが悲鳴を上げていたので、是非欲しい一品であったからである。
腐っても鯛ではないが、ステラはステラである。5000円で今買える新品のリールでは到底性能は追いつきませんからね。

・・・・前置き終わり・・・

さ〜てと、このステラは95年式である。この年式のステラは非常に評判が良いのである。部品数が少なくて丈夫な事この上ない。形もゴテゴテとしてないところが宜しい。
手元に95年式のステラの構造図があったので、それを横に置いといて、パーツを外していく。
※参考:ステラ95パーツリスト・展開図===>Click
ドラグつまみを外し、スプールを外す。スプール上部のドラグの部分が2000番とは違う構造になっている。ドラグ力が違うからだろう。
次にハンドル部分を外して、洗浄剤を掛けてやる。すると、錆がドロドロと出てくる出てくる。本来はノブの部分が外れるわけだが、ベアリングが固着している為に外れない。
強引に外すのは危険だ。シャフトが折れてしまっては元も子もない。洗浄してオイルを差したら、コマのように回っていたのでこのままでOKとした。
注)ネジを少しだけ緩めておいてから、+のドライバーを差し込んで、プラスチックハンマーでドライバーの柄を軽く叩けば外れる事を発見。
※今回使った油脂類は1番上の写真に載っているもの・・・・Kureのエレクトリッククリーナー、シリコングリススプレー、安モンのシリコンオイルスプレー
注)Kureのシリコングリススプレーは本来自動車などの大型機械類に使用されるので、リールには少し固いかもしれません。パソコンのCPUクーラー用のシリコングリスくらいの固さのモノが丁度良いと思います。
ローターを外すには、0.89mmの六角レンチが必須です。近所の大工センターなどで買っておきましょう。
メインシャフトのスプール受けのベアリングを上記の六角レンチで外したら、+のドライバーでナットの緩み防止金具を外し、10mmのスパナでそのナットを外す。そうしたら、ローター部分がズボッと外れる。
思っていたとおり、ローターの内側部分には塩の結晶がこびり付いていた。が、洗浄剤一吹きで綺麗に取れた(安モンのリールだと、ローター自体が塩によって腐食し、変形したりしてしまう)
ローター部分には2000番のステラには付いていないバランサーが付けられていたり、2000番では逆回転締めナットだったモノが正常回転のモノだったり、サイズも2000番より大きかった。(当たり前か)
ベール根本の部分は、擦って出来た塗装の剥げがある程度。アーム部分は、コンパウンドで一通り磨き・アーム付け根の部分はタッチペンで修正して終わり。
ローターを外したら、敵の本陣に乗り込む準備として・・・・小さな部品を無くさないように入れ物を用意する事。クラッチ部分のバネとかを跳ばしてしまうと捜すのが大変です。
外したベアリング類は、洗浄液に漬け込んで洗います。錆が出てきます。ワクワクしてきます(笑)。
ベアリングの受け部分(シャシー側)は綿棒に洗浄剤を染み込ませ、グルグルと回すように拭き上げます。
このリールの場合、メインのシャフト受け(ピニオンギア)のベアリングがへたっていて、錆を落としても音がしていたので、代替えのベアリング(アルテグラのと交換)を使ってみました。
クロスギアのベアリング2個もかなり錆びていたので丹念に洗ってグリスを注入。(誤魔化しは効くだろうけど、長く使うには新品のベアリングが必要;北海道のベアリング屋さんに注文しておいた)
各ギアは歯も欠けて無く状態は良さそう。
シャシー、ギア類を洗浄し、組み上げてみる。組み上げる時が一番楽しい時です。マスターギアやベアリングにはシリコングリスを充分に差しておきましょう。
ただし、ローターのクラッチ部分には注油してはイケません。クラッチが滑ってしまう事がありますので注意!
ドラグ部分にも注油してはイケません。ドラグが滑っては何のためのドラグか解りません。
組み上がったステラ3000はベアリングからの音も消えて、『ス〜ス〜』と滑らかに回り始めました。我ながらナイスジョブ!!

結論:
ステラが素晴らしい理由・・・メンテナンスを怠らなければ一生使える。と言う事に尽きる。
今なら、昔のステラはオークション等で、安く買えるわけですから、皆様にも是非トライしてもらいです。
追記)
注文していたベアリングが届きました。シマノ純正(日本製)のベアリングだと、値段が張る・いつ届くか判らないのでミネベア製(made in singapore)を6個注文していたのであった。
スプールの内部・ハンドル内部のベアリングは外せなかった・ベール部分は錆びてなかった・ハンドルギア後ろから見て左側のはサイズがなかった・・・ので今回は無視して発注。
組み替えてみると、益々スムースになった。凄く体感できたので合格!!
そして、スプール・ボディーガードに液体ゴム塗装をしてみた。乾くとゴムの皮膜になるので防水・傷防止になる。手術なんかで使う手袋みたいな皮膜に覆われる。
剥がせば元に戻る。
今回使ったのは『透明色』だったが、乾いてみると『半透明よりも白い』。が問題なさそうです。

追記)北海道のベアリング屋さん:イリジョン===>url:http://irijon.jp/
  



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