What is Delta ?( デルタって何?)


Delta とは・・・・
イタリアのトリノ地区にあるランチア(Lancia)社が造った自動車の名前です。
何故にデルタなのかと言いますと・・・一般的に外国の車は日本車の様に名前を付けません。
スカイラインとかクラウンとかランサー・・・・等の名前を付ける替わりに190とか318とか206とか512とかの数字あるいは
開発コードナンバーで呼ぶ事が多いのです。
従って、デルタとは・・・ランチア社が作った4番目の車(正確には違いますが)と言う意味合いがあります。
ギリシャ語で、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、・・・・(英語でA、B、C、D、・・・・)ってことです。
最初に発売されたのが、1970年代の終盤なので、もう20年くらい前の車と言う事になります。
もちろん、その間に多少のモデルチェンジをしていますので、私の車が20年前の物だという事ではありません。
デザイナーはあの有名な「ジウジアーロ」、彼はワーゲン社のゴルフも同時期にデザインしています。
この2つの車・・・実はよく似ています!(外見上だけですけど)
どちらも、5ドアハッチバックなので良く間違われたりします。
そして、マツダのファミリアに間違えられる事も多いです。
この様に外見上非常に似ている3車ですが・・・中身は天と地ほど違ってたりしてます。
ゲルマン人の超実用主義及び合理性を追及して造られたゴルフ。
あらゆる装備がしっかりと造られていて、華美な無駄な装備類はありません。
人を安全に合理的に運ぶための道具としては最上の物でしょう。
一方、高級庶民車の異名を持つランチア社の車であるデルタはイタリアデザインがふんだんに散りばめられています。
『贅沢とか華美に見られることを避ける風潮はランチアの伝統であり顧客に受ける点でもあった。
デルタはこの伝統を引き継ぐべきなのは勿論、ゴルフ、リトモ、アルファスッドと同じ小型車の枠にありながら、
上級のBMWやアルファ、サーブボルボに匹敵する品質であることを狙って、価格をこの両クラスの中間に設定したい。

(『ランチアデルタ』ナイジェル・トゥロウ著)
メーターやダッシュボード、シートなど、何となく高級感漂う感じです。
所有する満足感を得られるとでも言いますか、高級なスーツを着ている様な感じでしょうか。
しかしながら、高級な物ほど壊れやすいものです。普段のメンテナンスは必須ですし、メンテナンスをしていても壊れることは頻繁にあります。
これは、ラテンの車共通とも言えますので覚悟が必要です。
さて、ファミリアはこれら2車の間の存在でして、曖昧な高級感と合理性を兼ね備えています。
決められた枠(金額)の中で造らなければならない!という命題を遂行した結果だと言えます。
非常にリーズナブルであり、平均値の高い車と言えます。

1987年の世界ラリー選手権は前年までのグループBからグループA車両で争われることになりました。
激化する一方であったラリー選手権・・・フォード、プジョー、アウディー、ランチア、トヨタ、三菱・・・
年間生産量200台をクリアした車なら参加できるということでメーカーは競って車両を開発。
モンスターマシンによる選手権は迫力がありメーカーの威信を懸けたものとなり、見る者を楽しませてくれましたが・・・
グループBラリーカーがF1並にパワフルになって、F1レースが閉鎖された安全なコースで開かれるのに対して、観客が
間近に接する公道を走行するため危険性が高く、さらにスーパーパワーマシンが危険を倍加するという近年のラリーに
大多数のドライバーが危惧を抱くようになっていた。
ドライバー達はこうした意向をまとめ、ツールドコルスのオーガナイザーに対し、危険を回避するためのステージにおける距離の短縮、削除を求める要望書を連連名で提出した。
しかしこのドライバーの要望書は無視され、ランチアチームのトイボイネンとクレスコはコースアウトして木立に衝突、
2名とも死亡してしまった。
事故発生後直ちにコルシカ島を発ちパリに向かったFISA会長のジャン・マリー・バレストルは次のようなラリー規則の一大変更を発表した。

全てのグループBエボリューションモデルの廃止。
ボディー構造に特定素材の使用を禁止。
SSの最長距離、時間の制限を付ける。
消化器搭載の義務。

こうして1987年のラリーはグループAによって競われることになりました。
年間生産量5000台をクリアした車両での参加となりました。
それまでの実績から、ワーゲン社のゴルフとマツダ社のファミリアがチャンピオン候補として注目されていましたが・・・
ふたを開けてみれば・・・ランチアデルタの圧勝に終わりました。
その後選手権を5連覇した偉業の布石となったのです。
4輪ストラットのサスペンションに4輪駆動、デフにはビスカスカップリングという今では常識な組み合わせを世に知らしめたのもこのときでした。
ラリーにおける DELTA ヒストリー 


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